建築学科の環境入門 -Architecture&Environment


演習


温度差換気を求める

温度差換気の問題でつまづくことがあるんだよね….

温度差換気を解く際につまづきやすいことを網羅して解説します!

この記事を読むとわかること
温度差換気の問題での悩みを網羅して理解できます!

それでは解説を始めます。

上図の換気量を求めよ。ただし、外部風速は考慮しない。
ただしh1= 1m,h2=4m,α1A1=0.004㎡,α2A2=0.004㎡,外部温度θo
=0,室内温度θi=20℃ とする。

換気の問題はまず文意を読み取ろう!

文意を読み取ると、風力換気はなく、温度差換気のみを考えればいいとわかります。

圧力差と換気量の関係式を確認しましょう。

圧力差と換気量の関係式とは?

圧力差と換気量の関係式

Q=αA√2Δp/ρ (ρ:空気密度)

今回は温度差換気のみなので、温度による圧力差をこれに代入します。圧力差は

Δpt=gh(ρoi

なので、温度差換気の換気量は次のようになります。

温度差換気の換気量の公式とは?

温度差換気の換気量の公式

Q=αA√2gh( ρo-ρi)/ρ

ここで密度と気温の関係式は

密度と気温の関係式とは?

密度と気温の関係式

ρ= 353.25/T=353.25/θ+273.15 (T:絶対温度[K]、θ:セルシウス温度[℃])

以上を踏まえて温度差換気を温度を用いて表しましょう。

温度を用いた温度差換気とは?

Q=αA√2gh・θio/Ti ×3600

これが、温度で表した温度差換気の式と言えます。

この式から、室内が暖かい場合は(θio)下から上へと換気されます、逆の場合θoiは上から下へと換気されます。

つまり温度差換気には高さの差が必要です。

実際に温度差換気を計算する!

Q=0.004×√2・9.8×3(20-0)/(20+273) ×3600

=28.849… (回/h)

となります。

まとめ

・換気の問題はまず文意を読み取ろう
・圧力差と換気量の関係、温度差換気の換気量の公式、密度と気温の関係式を理解すれば温度差換気を解く準備はできる

以上です。