建築学科の環境入門 -Architecture&Environment


解説


気体の濃度を求める際の注意点

気体の濃度の公式忘れた!濃度の意味考えてとりあえず解いてみるか…

濃度の公式を忘れてしまって、とりあえず解いてみようとしたことはありませんか。このときに間違えやすい場合があるので、その注意点について解説します。

この記事を読むとわかること
濃度の公式を忘れても解けるようになります!

それでは解説をはじめます。

部屋の容積が500㎥、ある気体Aが0.005㎥/h発生して、t=0で気体Aの濃度が0の時の1時間後の気体Aの濃度pを求めよ。

濃度の公式とは

t=0で濃度p=0の発生気体の濃度を求める公式は

発生気体の濃度を求める公式

p=(k/Q)・1-e-(Q/V)・t
(k:単位時間の気体発生量、Q:換気量、V:容積、t:時間)

これに代入すればいいのですが、公式を忘れてしまって自力で解こうとするときに間違える場合があります。それは

濃度 = (時間発生量 × 換気される割合)/容積

という考えです。なぜこれが間違いなのか公式を求める過程を知ると理解しやすいです。それは

Δtにおける

発生した気体量 – 換気で無くなる気体量 = 残った気体量
つまり
kΔt – pQΔt = VΔp
となります。
これを積分して
(前述)p=(k/Q)・1-e-(Q/V)・t
が出せます。

この式kΔt – pQΔt = VΔpのΔpはΔt後の濃度です。つまり、時間の関数で表せるので、単に時間を代入する
濃度 = (時間発生量 × 換気される割合)/容積
この式は間違っているとなります。

以上です。