建築学科の環境入門 -Architecture&Environment


演習


熱気球の浮力を求める

熱気球の容積V=500(m3)、内気温 60℃、外気温20℃の時、浮力を求めよ。

この問題のポイントは 気球内の空気に働く重力 と 浮力 がつりあうことです。
気球の箱部分に働く重力はこの問題では設定されていないため、今回は無視します。
気球内の空気に働く空気の重力の式は

ρV g = 密度(kg/㎥) × 容積(㎥)× 重力加速度(m/s2

です。

容積と重力加速度はわかっているので、気球内の密度ρ(i)を求めます。密度を用いたボイル・シャルルを利用します。

密度を用いたボイル・シャルルとは
状態方程式 PV=nRTを変形する。n(物質量)= m(質量)/M(アボガドロ定数)、V(容積)=m(質量)/ρ(密度)を代入して
ρT/P = 一定
と表せます。

また今回は気球内外の圧力(P)が変化しない(一定である)ことを考慮すると
ρT = 一定
と表せます。

これを利用すると
ρ(i)(60+273) = 1.2×(20+273)
(Tは絶対温度であるため単位の摂氏℃をケルビンKに変換し、大気圧の空気の密度は1.2とします。)

これを計算すると
ρ(i)=1.055855…≒1.06(kg/㎥) となるので、求める浮力は

1.06×500×g
=530g(N)

稀に浮力を単位kgで求めよという問題がありますが、その際は

g(重力加速度)を除いた

530(kg)

と答えれば大丈夫です。

以上です。